出典:バイセル
「全国の山河は赤一色」は中国切手の中でも高値がつきやすく、開運なんでも鑑定団でも100万円の鑑定がされたことがあります。ところが、100万円というのはまだ序の口で、過去にはもっと高値がついたこともある貴重な切手です。
オークションで「全国の山河は赤一色」が落札された額だと、香港では2009年に4,300万円の値が付きました。さらには2013年にはなんと9,100万円という途方も無い額で落札されています。
ちょっと日本では考えられない価格ですが、これには理由があります。日本の場合は、切手のコレクターが、収集のためにある程度のお金を積んでも欲しいということで値がつくのに対し、中国では投機目的で切手に高値がつくことも多いからです。
特に富裕層で原資のある人物がそういった投機行動を取るため、通常のコレクターでは付けられないような高値を付けたりするのです。後にまた売却しようとしているわけですから、お金を出したところで痛くも痒くもありません。
「全国の山河は赤一色」が高値になる理由
出典:開運なんでも鑑定団
1966年から1976年の10年間、中国では「文化大革命」が起きました。この時代に発行された中国切手は希少性が高く、「全国の山河は赤一色」に限らず高値で取引されやすいものとなります。
というのも、文化大革命中は切手の収集が禁止されて、個人所有の切手も破棄されたため、この頃の切手はほとんどなくなってしまったからです。海外のコレクターが所有していたものは難を逃れましたが、これが後に高値を付けることになるわけです。
大革切手とも呼ばれるこの時代の切手は、毛沢東関連の図柄となっており、当時の中国の思想や政策が反映されているものとなります。
現存する枚数も限りなく少なく、図柄の思想や政策もさることながら、それを求めているのが富裕層ということもあり、とんでもない額での取引がなされることになっているわけです。
「全国の山河は赤一色」の発行期間はたったの半日
希少性の高い大革切手の中でも「全国の山河は赤一色」がとりわけ高値がつく理由は、この切手がたったの半日しか発行されなかったからです。1968年に半日だけ発行された「全国の山河は赤一色」ですが、発行が停止された背景には、デザインの間違いがあります。
ワン・ウェイシェン氏がデザインしたこの切手は、なんと台湾だけが赤く塗られておらず、それに気がついたのが発行して半日後だったということです。もちろん意図的ではないのですが、政治的にもナイーブな事項でもありますし、社会主義国としてはあるまじきこととして、即座に発行停止の措置が取られました。
偽造切手に注意
高値がつく切手ほど、偽造切手も存在することになるので注意が必要です。
価値のあるものには何でも偽物が登場しますが、場合によって1,000万円単位の価値がつく切手であれば、偽造品が作られるのも頷けます。特にコピー大国の中国となると、偽造切手も多く、精巧に作られていて見分けが難しいものもあります。
もし古い中国切手を所持していたら、信頼のできる大手の買取業者に査定してもらうことをおすすめします。